手放す決心は誰かと一緒がいい

人生は色々な出来事が次から次へと起こり、現在の生活が永遠続くということはまずないですね。

 

年齢を重ねていくと一人で生活できなくなることが有ります。

 

 

子供家族と同居することになることもあります。

 

賑やかになって嬉しいこともありますが、自分の持ち物をかなり処分して子供たち家族のためにお家の大半を明け渡さなくてはならなくなります。

 

 

 

自分のこれまでの人生を物語っているモノたち。

 

過ぎ去った過去の思いでが沢山あります。

 

 

 

このモノたちとお別れしなければいけない時が、子供たち家族と同居を始める時です。

 

 

 

それは自分の持ち物と向かい合う時です。

 

 

また、施設に入居する時も持って行けるものは現在の生活に必要なモノだけという点では、家族との同居と同じことが言えます。

 

自分が自由に使える部屋の広さは、限られています。

 

そこに持ち運べるのは本当に必用なモノだけになります。

  

今、80代後半のTさんのお家の片づけを継続中です。

 

Tさんは、息子さん一家と同居することになりお家の大半を息子さん一家に明け渡すことになりました。

 

 

Tさんは長年舞踊をされていた関係でとてもたくさんの着物をお持ちでした。

 

この沢山の着物も、足の状態が悪くなってしまわれた現在では着ることはなくなりました。

 

趣味の舞踊も高齢になると出来る状態ではなくなりました。

 

そこでTさんは今年の初めに一大決心をして、着物を処分することにされました。

 

何もかも含めると100点以上あったと思います。

 

資源ごみとして捨てるのはTさんにとって忍びないモノが有り、専門の方に引き取っていただくということで話を勧めました。

 

着物はどんな素晴らしいものでも、買取の値段はまずつきません。

 

しつけが付いたままのモノでも値段は付きません。

 

そのことをTさんには伝え、Tさんも了承されたのでしっかりした専門の方に引き取っていただくことになりました。

 

Tさんには何度も「買い取り金額を期待しないでください」と伝えておりましたが、実際100枚もの着物に買取値段が付くことはありませんでした。

 

 

これには期待していなかったとは言えTさんのショックはかなりのモノでした。

 

自分で手放すと決めていらっしゃっただけに途中で

「処分するのを止める」とはおっしゃいませんでしたが

落胆された様子は隠せませんでした。

 

 

私もかける言葉がみつからず困ってしまったものです。

 

その後ショックのせいかTさんは足の状態が一段と悪くなり、歩行が困難になってしまわり片付け作業も中止になってしまいました。

 

持物に対する捉え方を変えるのは難しい事です。

一度に思いを変えることは出来ないので少しずつ持ち物に対する考え方を変えていけるといいんです。

 

・持っていても使わないモノは、無いモノと同じ

 

・手に入れた時は高価であっても時間の経過とともにモノの価値は変わって来る。

 

・使わないモノに占領されている場所に税金や家賃を払っていることはお金を捨てているのと同じ事

 

これらのことも事実なんです。

 

その後、息子さん一家との同居の話が一気に進み、子供さんの夏休みを利用して同居を始められました。

 

Tさんの持ち物は着物が沢山あっただけではなく、全てのモノが沢山なのです。

 

服もパンツ、シャツ、シーツ、布団すべて購入する時は必ず2枚買うそうです。

 

おしゃれなTさんの生活を垣間見るような気がします。

 

全てのモノが多く押入れはそのものたちで一杯です。

 

複数枚ずつあるものたちはビニールの袋に入れて塊になってしまわれています。

 

Tさんにするとそれぞれのビニールの袋の中に入れてあるモノは分かっているつもりなんです。

 

でも、今日はあえて袋を全部開けて確認してもらうことにしました。

 

記憶力のいいTさんははっきり袋に入れられているモノを覚えていらっしゃいますが、忘れているモノもありました。

 

それを確認していくと、使わないモノ、使えないモノがあります。

 

着物を今年の初めに処分したのに、着物に関する下着の一部がかなりの枚数残っています。

 

既に着物が無いため使えないモノたちです。

 

最初は「取っておこう」と言ってたTさん

「着物はもう残ってないから、これ使うこと無いモノですよね。」

 

等と話をすると「残しておいても使えないよね」となり処分を決心されました。

 

シーツなども同様です。

 

「たくさん有るけど全部使っていますか」と聞くと使うモノは決まっているので「使っていない」と

返事が返ってきます。

 

そこで

「物を移動させるだけでは、片付かないから息子さんたちの荷物が入るスペースはできなですよね」

等と会話すると「いらないね」と気持ちが変わってくるのです。

 

片付け作業は「一人でも出来る」って思う方は多いです。

 

でもなかなか完結するまでって大変なんです。

 

片付けの基本を理解せずに自己流でやると上手くいかないし、

誰かのアドバイスが有ると、「片づけたい」「片付けなければいけない」と思った原点に立ち返ることが出来るのです。

 

そして持ち物や人生に対する考え方に新しい気付きを発見することが有るのです。

 

 

持っていても使わないモノって、持っていないのと一緒なんですけどね。

 

そんな思いは一人では考えることも無いことなんです。

 

Tさんは今日、私と話をしながら片付けて、ご自分で思っていらっしゃった以上のモノを処分されました。

 

そして口から出た言葉が「さっぱりして、気持ち良くなった」でした。

 

片付けって一度で全部完結しなくてもいいんです。

 

今まで大事にしてきた自分の人生とお別れするのは簡単には出来ることではありません。

 

でも今一番大事にしたいモノは何かを誰かと一緒に考えると、残すモノと手放すものを決めることに迷わなくなります。

 

誰かと一緒に片付ける、その誰かは片付けることの意味が分かっている人です。

 

今回もTさんは使わないモノを頑張って処分されましたが、まだまだ使わないモノはあります。

 

一度に片付けなくても、自分の気持の整理が出来るまで時間をかけて作業をされるのも良いと思います。

 

「もう少しスッキリとした部屋で生活したい」という思いが近いうちに湧き出て来るはずです。

 

足の悪いTさんにとってお部屋がスッキリしていることは安全に過ごすためにもとても重要な事なんです

 

 

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