気温は低くても立春を過ぎると、日差しに春を感じるようになりましたねl
月日の流れは速いモノでどんどん時が過ぎていきます。
そんな今日この頃ですが、この前まで元気に過ごしていても、年を重ねると思いがけない時にけがをしたり、突然体調が悪くなったりすることが有ります。
自分の体力に不安を感じると、自分の持ち物の整理について考えるようになります。
沢山の持ち物を残して自分が死んだら、残したものを整理するのは殆ど子供たちです。
子供たちに迷惑をかけないようにと持ち物の整理を始める方もいます。
持ち物の整理を始めると着物の処分で悩まれる方は多いです。
着物が好きだった方や、お茶や、踊りなどをなさっていた方はたくさんの着物を持っていらっしゃいます。
年を重ねて、趣味のこととも縁遠くなると、毎日の生活は簡単に着ることが出来て、動きやすく冬は暖かく、夏は涼しく管理が楽な服を選んでしまいます。
そうなると着物は着ることが無くなってタンスの肥しになっている方もたくさんいらっしゃいます。
着物は洋服と違い高価なものです。
だから着なくなっても簡単に手放す気持ちになれないのです。
しかも、洋服と違いどんなに高価な着物でも買取に値段がつかないのが悲しい事実です。
だからと言ってゴミの日に出すには抵抗があります。
結局たくさんの着物を持ったままという方は多いです。
今回100枚くらいある着物を
「もう着ることは無いから、手放したい。でもゴミとして出すことには抵抗がある。」
という方に引き取って下さる業者の方を紹介することが出来ました。
引き取っていただけるということで、捨てるのではありませんから
気持ちが随分楽になられたようです。
そのたくさんに着物を手放すにあたって、その着物を買ってくれた今は亡きご主人への
感謝の気持ちと、ご主人が自分のためにしてくれたことへの優しさを改めて感じていました。
手元に置いておいても使う事は無く、それを残して自分がいなくなった時には、息子に精神的にも、経済的にも大きな負担をかけることをとても気にされての決断でした。
箪笥の中の着物が無くなって、Tさんは
「スッキリした。
作った時は何百万のお金を使って主人が作ってくれた着物だけど、使わないモノに価値はないし、買取の値段もつかないけど、子供に迷惑をかけなくて済むと思うと気持ちが楽になった」
と清々しい表情でおっしゃっていました。
どうしても高価な着物は、今でも買った時の価値がそのまま持続していると思います。
袖を通してなかったりするとその気持ちは尚更強くなります。
そんな思いから、今自分が処分できず、そのままにしておいて子供が処分することになった時、高価なモノでも無料で引き取ってもらうか、布くずとしてわずかな金額で買い取ってもらうことになることでしょう。
処分する時期が今か先になるかだけの違いです。
今後日本の伝統文化の着物を有効に活用出来る場所が増えることを切に望みます。
着物を手放す決心をされたTさんの行動から、子供への深い愛情を感じるお片付けとなりました。