片付けは綺麗に納めたら完了ではありません。
片付けてお部屋をスッキリ整えて気持ちよく過ごしたいのは皆さん同じだと思います。
相談会などで「片付けるってどうすることだと思います?」と聞くと多くの人から「綺麗に納めること」又は「モノを捨てて少なくすること」と返事が返ってきます。
どちらも間違いではないんですよ。
でも、片付けはそれだけではないんです。
それは、生き方を変えるほどの大きな力を持っているのが片付けなんです。
片付けを学びたかった本当の理由 でも得たモノはもっと大きなモノでした。
私事ですが、私は片付けられない人で、いつも探し物をし何をしても時間がかかる毎日を送っていました。
当然仕事もできないし、家事にも時間がかかる、だから会社と家の往復だけで一日が終わる寂しい毎日を過ごしている「おばさん」でした。
長年そんな生活を続けていたので、定年を間近に控えて自分の好きな事も、やりたいこともわからない状態です。
「このままでこれからの人生を過ごすのはいやだ。
これは私の人生ではない。
私の好きなこと、やりたいことを早く見つけなければ」
そんな焦りに襲われる毎日でした。
「自分探しの時間を作る為には、片づけられる人になって、何でもスピーディーにに出来る人になたい」その気持ちから整理収納講座を受講したのです。
ちょっと変な動機からの片付け講座受講でしたが、でも片づけの持つ本当の意味を知ることになりました。
時間は出来ましたが、自分のやりたいことは見つかりませんでした。
時間が出来たからと言って自分は何が好きなのか、何をやりたいのかがすぐに見つかるわけないんです。
自分の好きな事、やりたいことに気付くには、自分が使わないモノに執着しているこだわりを手放して、本当の自分の気持に気付けないと難しいのです。
自分の気持に素直になればいいだけなのですが、私は自分を覆っている厚い殻を破って外に出ることが出来ず、素直に自分を出すことが出来ませんでした。
素の自分を見られるのが怖い。
私の心の中に隠れている「良く見られたい」という気持ちがあります。
変なプライドが私を覆っているのです。
これを捨てなければ素直な気持ちにはなれないんです。
でも、時間が出来て色々な事をやって自分が知っている世界があまりにも小さかったことに気付きました。
世の中には、自分の夢に向かってまっしぐらに進んでいる素晴らしい方が沢山いらっしゃいます。
そして、その方たちがやりたいことに注いでいるエネルギーが素晴らしく大きいことを知りました。
彼らは全力で自分の夢に向かって進んでいます。
そして、彼らは自分の気持ちに素直です。
私は片付けられるようになって自分の時間を手にして、経験したことが無い世界を垣間見ることができました。
今まで気付かなかった自分自身を一部知ることが出来ました。
一部分ではありますが、これは大きな発見です。
それは、人の考え方には色々あって優劣はつけられないということです。
自分の考えていることも有りですが、他の方が考えていることも素晴らしい考え方がたくさんあるということです。
私は片付けられなくて、全てのことに要領が悪く時間のかかる生活をしてきましたが、自分の生き方には自信がありました。
だから「自分の価値観は間違っていない」っていうすごい自信を持っていました。
それは、小さな世界で得た、とても狭い価値観です。
恥かしい話ですが、「井の中の蛙大海を知らず」状態です。
相手を自分に合わせようとし、無理ないことにエネルギーを注いでいつも疲れてイライラしていました。
相手を認めてあげることに、今更ですが気付かされたのです。
相手を認めてあげるということは、お互いの距離が近くなるということ、腹を割って話せるようになるということです。
自分自身の変化は感じていましたが、私の殻は少々では破ることは出来ず、やりたいことに気付けないでいました。
たくさんの方と繋がりができ、失敗も沢山しましたが、失敗の中から良いモノを見つける目を少し養うことも出来るようになりました。
繋がりが広がることは、自分に必要な方との出会いもありました。
年の多い私に辛口のアドバイスをしてくれる人はあまりいません。
辛口のアドバイスをしてくれる人は、私のことを真剣に考えてくれている人です。
そんな方と出会えたことは、片付けが私の世界を拡げてくれて、多くの方と繋がることができたからです。
自分に素直になる第一歩が多くの方と出会うことでした。